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パリ五輪選手村の食堂で「肉不足」問題:肉なしで戦えは無理?

 

パリ五輪が開幕する前から、選手村の食堂を巡る不満が続出しています。各国の選手団から「肉が足りない」との声が相次ぎ、大会組織委員会は当初の計画を修正せざるを得なくなりました。地球にやさしく健康的なメニューを掲げていた組織委員会は、29日に「700キロの卵や肉を投入し、動物性タンパク質を増強する」と発表しました。

パリ五輪は地球温暖化対策を重視し、選手村食堂のメニューも地産地消にこだわり、野菜中心の料理を提供する方針でした。ミシュラン三つ星シェフがメニュー作りに参加し、「アーティチョークのピュレ添えクロワッサン」などの凝った料理を披露していました。しかし、実際には多くの選手から「卵や鶏肉、炭水化物が足りない」との声が上がり、食堂の混雑も問題になっています。

英国オリンピック委員会のアンソン最高経営責任者(CEO)は、英紙タイムズで「大胆な改善が必要」と不満を示しました。また、ある英代表選手は「食事は極めて重要なのに、期待したように組織されていない。東京五輪はうまくいっていたのに」と述べています。特に利用者が集中する時間帯には、肉類がすぐに品切れになる状況が続いています。

ドイツホッケー男子代表のマッツ・グランブシュ選手も、「食堂では信じられないくらい長い時間待たされる。ピーク時に手が回っていない。同じ時間に利用者が殺到するので、質も量もよくない。残念だ」と語っています。大会組織委員会は、動物性タンパク質の追加投入は選手たちの要求に応えた措置であると強調しています。

パリ五輪は温室効果ガスの排出量を従来の大会の半分に抑えることを目標に掲げており、その一環として食材の80%をフランス産にし、動物性タンパク質を減らして野菜や果物を多用する方針を打ち出していました。しかし、アスリートにとって、適切な栄養摂取はパフォーマンスを左右する重大な要素です。肉や卵などの動物性タンパク質は、筋肉の修復や成長に必要不可欠な栄養素です。

東京五輪では、選手たちから「世界一おいしい」と絶賛された「ギョーザ」など、多様な食事が提供されました。選手たちは高いパフォーマンスを発揮するために、十分な栄養を摂取することが求められます。食事の質と量が不十分であれば、競技に影響を及ぼす可能性があります。

今回のパリ五輪の事例は、健康的で環境に優しい食事とアスリートの栄養ニーズのバランスを取ることの難しさを浮き彫りにしています。「肉なしで戦えは無理?」という問いに対して、多くの選手が「イエス」と答えるでしょう。アスリートが最高のパフォーマンスを発揮するためには、適切な栄養供給が不可欠であり、今後の大会運営にも重要な教訓となることでしょう。