現在の選挙戦において、旧安倍派に属する丸川珠代議員とその夫・大塚拓議員が窮地に立たされている。問題の発端は、両者が党から戒告処分を受けた「裏金問題」。丸川議員は、822万円のパーティー券還付分を政治資金報告書に記載しなかったことが発覚し、大塚議員も528万円の不記載により同様の処分を受けた。さらに、両者ともに比例名簿から外され、小選挙区での当選が必要な厳しい状況に追い込まれている。
しかし、二人は党の処分に納得せず、強い抗戦の姿勢を見せている。丸川議員は涙ながらに「小選挙区1本です。どうかお助けください」と訴え、選挙戦を懸命に戦っているが、選挙区の港区や渋谷区での支持拡大は進んでおらず、支持者からも「釈明に追われてばかりでは勝てない」との声が出ている。
一方、大塚議員も強い憤りを露わにし、党からの処分に対して反発を続けている。この態度が有権者の不信感を煽り、「裏金夫婦」と揶揄され、夫婦揃っての応援演説というこれまでの強みが今回は活かせない状態にある。また、埼玉9区での選挙戦も厳しく、立憲民主党の杉浦慎治氏との票差が毎回縮まっており、支持基盤である後援会も高齢化で弱体化している。
丸川議員には安倍晋三元首相の妻、昭恵氏が応援に駆けつけ、「主人が撒いた種が育ってくれたら」と訴えたが、有権者の一部には「撒いた種＝裏金事件」と捉える者もおり、かえって波紋を呼んでいる。
両議員の逆ギレとも取れる態度や、党に反発する姿勢が、果たしてどこまで有権者に支持されるのか。厳しい批判にさらされる中、裏金問題をめぐる彼らの徹底抗戦は今後の選挙戦にどう影響するのか、注目が集まっている。
