後任問題と「政界渡り鳥」の杉田氏――江川氏の指摘は鋭い
自民党の裏金事件をめぐる議員たちの処分と次期選挙での立候補に関する問題が大きな波紋を呼んでいます。その中でも、特に注目されているのが杉田水脈衆院議員です。杉田氏はこれまでに「みんなの党」、「日本維新の会」、「次世代の党」、そして自民党と渡り歩いてきたことから、「政界渡り鳥」とも呼ばれています。SNSではその姿勢に対して多くの疑問の声が上がっていますが、中でもジャーナリストの江川紹子氏の指摘は鋭く、議論を巻き起こしています。
杉田氏は、2024年10月7日、自民党山口県連が次期衆院選の比例中国ブロック単独候補として公認申請を行ったことが報じられました。しかし、杉田氏は裏金事件で1564万円もの不記載があったとして、党内で6ヶ月間の役職停止処分を受けたばかりです。これに対し、SNSでは「不適切な人物を再度公認するのか?」という批判が続出しています。経済学者の金子勝氏は、「おかしい。浅ましい。恥ずかしい」と、強い言葉で自民党山口県連の判断を批判しました。
さらに、江川紹子氏は「裏金事件以前に、比例単独での出馬は2回までという党内ルールがあったのでは?」と指摘。杉田氏は2017年、2021年と2回、比例中国ブロックで単独候補として出馬しており、今回の立候補はルールに違反しているのではないかという疑念を投げかけています。江川氏のこの指摘は、党内ルールの順守に関する重要な問題を浮き彫りにしており、その鋭い指摘に対し、多くの人が同感しています。
杉田氏自身は、裏金事件に関しては処分を受けたため、問題は解決済みだとの立場を取っており、処分が覆る形になるのは不適切だと述べています。しかし、政治資金の不正は一度処分を受ければそれで終わりという性質のものではなく、有権者や党内外からの信頼回復が求められる長い道のりです。
杉田氏がこれまで「政界渡り鳥」として様々な政党を渡り歩いてきたことも、今回の事態を複雑にしています。過去に所属していた党の理念や政策とは異なる立場で再出馬する姿勢に対し、有権者の信頼を得ることができるのかは大きな疑問です。特に、自民党が裏金事件での処分を経た杉田氏を再び公認することは、党内の倫理観や信頼性に深刻な影響を与える可能性があります。
結局のところ、問題は「政界渡り鳥」が許されるのか、そしてそれが選挙での公正さや透明性にどのように影響を与えるかという点にあります。杉田氏の立候補が認められるかどうかはまだ不透明ですが、こうした問題が次期選挙の行方にどのような影響を与えるのか、注視する必要があります。江川氏の指摘が示す通り、党内ルールや倫理の問題は、今後の議論の焦点となるでしょう。