パリ五輪の柔道男子60キロ級準々決勝で、永山竜樹選手がスペインのガルリゴス選手に片手絞めで一本負けした。この試合で起きた「待て」の後も絞められ続けるという不可解な誤審疑惑が波紋を呼んでいる。全日本柔道連盟によれば、「待て」の時点で永山選手はまだ意識を保っていたが、その後も6秒間絞められ続け、失神に至ったという。
絞め技は柔道の中でも特に危険な技術だ。関節技と同様、相手の意識を奪う可能性があるため、慎重に扱われるべきだ。「待て」がかかった時点で全ての攻撃は無効とされるため、選手は一瞬気を抜くのが当然だ。しかし、今回のように「待て」の後も絞め続けることは、選手の安全を脅かす重大な問題だ。
金野潤強化委員長も「待てが掛かってから6秒も絞めていることは柔道の精神としてもよろしくない」と語気を強めた。このような誤審が認められた場合、柔道の信頼性に大きな打撃を与える可能性がある。絞め技や関節技は特に危険であり、ルールの徹底と審判の適切な判断が求められる。
一般人には理解しにくいかもしれないが、柔道の試合では一瞬の判断ミスが選手の命を危険にさらすことがある。特に絞め技は短時間で相手の意識を奪う可能性があり、「待て」や「参った」の後にすぐに技を解かないと深刻な事故につながる。今回の永山選手の件は、その危険性を改めて浮き彫りにした。
柔道はただのスポーツではなく、相手の命を預かるという責任が伴う。審判の誤審が招くリスクを再認識し、安全で公正な試合運営を徹底することが求められる。今回の問題を契機に、柔道界全体でルールの再確認と改善が進むことを期待したい。
