「最強の世襲候補」として知られる岸信千世氏が、今回の選挙で厳しい状況に直面しています。父・岸信夫氏、伯父・安倍晋三氏、曽祖父・岸信介氏という政治家一家の系譜を持ちながらも、統一教会問題や裏金事件の影響が重くのしかかり、岸家には逆風が吹いています。
追い上げる平岡氏
岸氏は山口2区から出馬しているものの、対立候補である立憲民主党の平岡秀夫氏に追い上げられ、予断を許さない状況です。平岡氏は岩国市出身で、東京大学法学部を卒業し、財務省に勤務したエリート官僚です。過去には4度の選挙で岸家に敗北していますが、着実に支持を広げています。さらに、平岡氏は「裏金世襲」という批判を強めており、これが有権者に大きな影響を与えているようです。
岸氏の選挙戦の課題
岸氏の選挙戦も順調とは言えません。選挙活動中に2時間の休憩を取る姿勢が「サボり癖」として批判されており、街頭演説を避け、選挙カーからの手振り挨拶に頼るなど、積極的な活動が見られない状況です。そのため、後援会関係者からも「性格は良いが話し下手」との嘆きが聞かれています。
落選の影響と自民党の混乱
もし岸氏が落選し、さらに比例復活も果たせなかった場合、自民党山口県連にとって大きな混乱が予想されます。中国ブロックの比例復活枠も限られており、吉田信次候補との順位争いが激化することが避けられません。岸家の没落が現実味を帯びる中で、岸氏がこの危機をどのように乗り切るかが注目されます。