9月30日、自民党新総裁となった石破茂氏が、新内閣の顔ぶれを固め、こども政策担当相に三原じゅん子氏(60)を起用する方針を明らかにしました。これで三原氏は初入閣となり、芸能界出身の女性閣僚として注目を集めています。彼女は2010年の参院選で初当選し、現在3期目。参院では3回以上の当選が入閣の目安とされており、それをクリアしたことで、ようやく大臣の座を手に入れることができました。
三原氏は元歌手・女優として活躍し、1982年にはNHK紅白歌合戦にも出場した経歴を持っています。彼女の名が広く知られるようになったのは、1979年にTBSの大ヒットドラマ「3年B組金八先生」に出演した時。劇中で不良女子生徒役を演じ、その演技力と個性的なキャラクターで一躍注目を浴びました。今でも彼女のこの役は代表作として語り継がれています。
政治の世界に足を踏み入れた後も、三原氏はその高い人気と知名度を武器に活躍。彼女は菅義偉前首相との縁が深く、菅氏の神奈川県選挙区出身という点でも強力な支援を受けてきました。また、選挙活動では人気弁士として小泉進次郎氏と並んで高く評価されており、次期衆院選でも「選挙の顔」として期待されています。
ただし、三原氏には問題もあります。彼女は過去に国会で過激な発言を繰り返し、たびたび炎上しています。2015年には参院予算委員会で戦時中のスローガン「八紘一宇」を持ち出し、物議を醸しました。また、2019年には安倍首相問責決議案に反対する討論で「愚か者の所業!恥を知りなさい!」と野党を強く非難し、品位に欠けるとの批判を受けました。さらにはSNSでの発言が問題視されることもあり、政治家としての資質について疑問視されることも少なくありません。
これらの過去の問題から、彼女が閣僚としての責務を果たせるかどうか、不安視する声もあります。特に、彼女自身が過去に「恥を知りなさい」と発言したことで、今後野党からの攻撃の格好の的になる可能性もあります。永田町関係者の中には、こうした過去の発言が「ブーメラン」となって自分に返ってくるのではないかと懸念する声も上がっています。
それでも、彼女の政治家としての存在感や支持は依然として強力です。三原氏が大臣に就任すれば、女優出身の大臣としては山東昭子氏、扇千景氏に続き3人目。紅白歌手初の閣僚としても歴史に名を刻むことになるでしょう。果たして彼女が政治家としても輝くことができるのか、今後の動向が注目されます。