もうこういうブラックな笑いは受けない時代か?『水ダウ』水責めドッキリが物議
10月30日に放送された『水曜日のダウンタウン』の“水責め”ドッキリが物議を醸し、多くの視聴者が不快感を示しています。番組は芸人・酒井貴士さんに対して過激な水攻めを仕掛けるという内容でしたが、SNS上には「笑えない」「胸が苦しくなった」などの声が相次ぎ、改めてブラックな笑いの在り方が問われています。
水責めドッキリが引き起こした拒否感
今回の放送では、理髪店でシャンプーを受ける酒井さんが、栓がされたシャンプー台にたまっていく水に顔を浸されるというシーンが展開されました。水位が徐々に上がっていく中で、酒井さんは何度も頭を押さえつけられ、最終的には目が赤くなり放心状態に。これがネタであると明かされたものの、本人は「ここまで過激だったか?」と驚きを隠せなかったようです。
視聴者からは、笑いではなく恐怖を感じたという意見が続出。SNSには「水責めは見ていて胸が痛くなる」「芸人に何をしても良いという発想が許されるのはおかしい」といったコメントが多く見受けられました。さらに「これでは命の危険すら感じる」「拷問を笑いにしていいのか」という声もあり、番組制作の在り方に疑問が投げかけられています。
笑いの限界、ブラックな企画の是非
『水曜日のダウンタウン』は過激なドッキリ企画が人気で、視聴者を驚かせる内容が番組の特色でもあります。しかし、行き過ぎた演出や不快感を招く内容は視聴者離れのリスクを高め、社会の変化に合わせてバラエティ番組の在り方を再考する必要があるでしょう。かつては「体を張った笑い」が当たり前とされていた時代もありましたが、視聴者の感覚が変わり、「楽しめない」シーンは批判を浴びがちです。
近年、SNSを通じて視聴者の意見が番組制作側に直接届く時代となりました。今回もTBSには安全性への配慮や放送の適切性について問い合わせがあったものの、回答はなかったとされています。テレビの影響力が絶大だった頃には見過ごされたかもしれない演出も、今では視聴者からの即時フィードバックで判断を求められるようになっています。
笑いの方向転換が必要な時代
バラエティ番組は視聴者を楽しませることが目的である以上、笑いが恐怖や不安を呼び起こしてしまう演出はもはや受け入れられにくいと言えるでしょう。視聴者の「楽しめない」という声が上がる以上、番組制作側にはリスクと責任のバランスをとりつつ、笑いの在り方を工夫する必要がありそうです。