西田敏行は、日本を代表する俳優として知られ、彼の長年にわたる大河ドラマ出演歴もまた、その実力と人気を裏付けています。1972年に『新・平家物語』で大河ドラマに初出演して以来、2022年の『鎌倉殿の13人』まで、合計14作品に出演。そのうち4作品で主演を務めており、これは大河ドラマ史上最多の記録です。
初の大河ドラマ出演となった『新・平家物語』(1972年)では、平家の重臣・平時忠を演じ、当時の共演者には仲代達矢や高橋幸治といった実力派俳優が揃いました。1984年の『山河燃ゆ』では日系アメリカ人の天羽忠役を務め、松本幸四郎や三船敏郎などと共演しました。
この作品では戦争とアイデンティティの葛藤を描き、西田の演技力が光りました。
1990年には『翔ぶが如く』で西郷隆盛を熱演。こちらでも主演を務め、共演者には鹿賀丈史や樋口可南子が名を連ねました。西郷役のオファーを受けた際、会津出身の西田は「薩摩なら大丈夫だ」と友人から言われて出演を決めたというエピソードも興味深いです。
1995年の『八代将軍吉宗』では、徳川吉宗を演じました。主演のこの作品では、大滝 秀治や山田邦子と共演し、厳格でありながら人間味のある将軍像を描き出しました。また、2000年の『葵 徳川三代』では徳川秀忠を演じ、徳川家の歴史を体現する重厚な役柄で視聴者を魅了しました。共演者には津川雅彦がいました。
2006年には『功名が辻』で徳川家康役を担当。特殊メイクで家康の特徴的な福耳を再現し、より歴史的なリアリティを追求しました。さらに、豊臣秀吉を演じた1981年の『おんな太閤記』では、正室・ねねを「おかか」と呼ぶシーンが視聴者の間で話題になり、流行語にもなりました。
その後も、西田は『武田信玄』で甘利虎泰(1988年)、『独眼竜政宗』で片倉小十郎(1987年)、『葵 徳川三代』では徳川秀忠(2000年)など多彩な役柄を演じました。また、『八重の桜』(2013年)では西郷頼母を演じ、特に地元会津の歴史に深く関わる役柄で感慨深い演技を披露しました。
彼の大河ドラマ出演歴は、役柄の幅広さと時代劇俳優としての実力を証明するものです。